りんごの表面がワックスをかけたようにつやつやしていることがありますが、あれは農薬がついているからではないそうです。
もしあれが全て農薬だったら、まさに某童話に登場する「毒りんご」と同じですよね。
農薬がついていないということではありませんが、りんごは皮ごと食べるメリットも多い果物ですので、しっかり洗って安心して食べたいものです。
今回はそんなりんごのワックスの正体や上手な洗い方をご紹介します。
りんごの表面のピカピカはなに?ワックスの正体とは
りんごの皮がつやつや光っていたり、触るとベタベタして気持ち悪かったりした経験はありませんか?
私はわかっていても苦手で、触りたくないタイプです。
あれをワックスと呼ぶのですが、農薬など外部からの要因ではなく、りんごそのものから出る自然の「ろう物質」です。
「ろう物質」と言われれば、確かに油のようにベタベタして水で流すくらいでは落ちない理由も想像できますね。
このワックスが出る現象は「油あがり」とも呼ばれ、りんごを乾燥から守り、鮮度を保つ役割を持っていて、表面にワックスが出る頃が「食べごろ」のサインなのです。
もちろん、全くの無害なので安心ですし、食べごろが見てわかるのは嬉しいですね。
しかし、品種によりワックスの出かたが違うそうなので、私のようにどうしても苦手な方は、表面がさらさらしたものを選び、早めに食べてしまうというのが良いでしょう。
りんごの皮の農薬はどれだけ体に悪いの?
有機栽培のものを除き、りんごの残留農薬は他の野菜などに比べてもかなり高いといわれています。
農薬を使わずに育てるためには、かなりの労力も必要となりますし、有機栽培を主流にすると流通量が減ったり、価格が高騰したりする可能性も高くなり、身近な果物ではなくなってしまうかもしれません。
りんごは虫や病気の被害に遭いやすく、木や葉、果実を守り健全に育てるためには農薬は欠かせないものなので、多くのりんご農家が使用しているのです。
しかし、日本の農薬使用基準は厳しく、体に害が出るような量を使用することはありませんし、万が一基準を上回った場合、出荷できませんので店頭に並ぶことはありません。
また、水溶性の農薬を使っているため、水で洗うだけで落とすことができますので安心なのです。
ただし、これはあくまで国産品の場合です。
日本国内で食用として流通しているりんごは、鮮度維持の問題もありほぼ100%国産品ですが、旅行などで海外に行き、スーパーなどを覗く機会がある場合は注意してほしいです。
外国産の場合は、農薬の基準が日本とは違うため、日本では安全と認めていない農薬を使っていたり、濃度が高かったりすることがあります。
水溶性でない場合も多く、水で洗っても落ちにくいので残留農薬をそのまま口にしてしまうことになりかねない不安も出てきますよね。
見た目では残留農薬の量や種類はわかりませんし、ラベルなどにも詳細は記載されていません。
せいぜい、かんきつ類の「防カビ剤使用」と同じレベルの表示です。
どんな農薬でもその国では許可しているものですし、店頭に並ぶ食品に使用しているので、すぐに害が出ることはないと思われますが、蓄積しての健康被害は気になりますし、できるだけ安全な食べ物を選びたいのと思うなら、外国産のりんごは避けましょう。
りんごの皮にはビタミンなどが多く含まれており、抗酸化作用もあるのでぜひ皮ごと食べたいですが、海外でりんごを食べる際は少しでも残留農薬を減らせるように、皮は剥いた方が良いでしょう。
国産品でも残留農薬がどうしても農薬が気になる場合は少し高価になりますが、有機栽培のものを選ぶことをおすすめします。
りんごの皮の農薬の洗い方
先にも書きましたが、国産りんごに使われる農薬は基本的に水溶性ですので、水で洗えば落とすことができます。
流水で流しながら柔らかいスポンジなどを使って、茎の隙間なども丁寧に洗うようにしましょう。
しかし、それだけではちょっと不安と感じる場合や、ワックスが強くベタベタな場合などはもっとしっかり洗いたくなりますよね。
流水以外にもりんごの鮮度を保ったまま洗う方法がいくつかあります。
塩
一番手軽なのは、皮の表面に塩を擦りつけて流水で洗うことです。
葉物野菜など傷ませてしまうこともあるので、なんでもとは言いませんが、農薬や汚れが気になる野菜に広く使えます。
重曹
1Lの水に大さじ4程度の重曹を溶かし、その水とスポンジで洗う方法もおすすめです。
最後に流水で流せばOKです。
重曹なら油性の農薬も落とせるようです。
中性洗剤や野菜用洗剤
中性洗剤や野菜用洗剤を使用することもできます。
スポンジで泡立てて表面を優しく洗い流水で流せば、洗剤が残る心配もなくきれいになるため、皮ごと安心して食べられます。
最近よく耳にする【すっきり洗菜ベジシャワー】 は保育園の給食にも使われていて果物や野菜の農薬を安全にすばやく取ってくれるので、小さいお子さんのいるお母さんは使っている方が多いですよね。
私は普段は流水、ワックスが強い場合は食用の塩や重曹を使用しています。
生食しないのであれば、お湯にさっと15秒ほど入れた後、流水で流すのも、余分な油分や表面の汚れが取れてきれいになるのでおすすめです。
いろいろな洗い方がありますが、皮ごと生食したり料理に使ったりする場合に農薬が気になるとう理由なら、有機栽培(無農薬栽培)のものを選ぶ方が正しい選択でしょう。
まとめ
りんごを皮ごと丸かじりするシーンを見たことがある方も多いかもしれませんが、洗わず食べることはリスクがあるということが分かりました。
しかし、国産のりんごなら流水や一工夫で簡単に農薬を落とすこともでき、栄養価の高い皮の部分まで余さず安心して食べることができます。
何となく気になっていた表面のつやつや感も、本当に食べごろサインなのかどうか食べ比べなどで試してみたくなりませんか?
どこでも買うことができ、子供から大人まで好きな人が多いりんごを安心して楽しみましょう。
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