「もうすぐお彼岸だからお花準備しないと。」
「お彼岸の日は予定空けといてね。」
こんな会話が聞こえてくる時期ですね。
私はお彼岸の時期など特に何も気にせず、母がいつも春と秋に、「お花お花~」と言っているのを見ていました。
結婚し家庭を持って初めて、お彼岸というご先祖様の供養なんだと認識し母と同様、お花・・と思うようになりました。
ご先祖様の供養とは知っていてもお彼岸について詳しくは知らないものです。
お盆と違うのか・・仏教って沢山ご先祖様の供養しないとダメなんだな~ぐらいの感覚です。
ここではお彼岸とはいったい何なのか、色々ご紹介していきたいと思います。
お彼岸とは 意味と由来
お彼岸はだいたい春分の日・秋分の日の前後3日間とされています。
この春分の日・秋分の日は国立天文台が計算し毎年日付を決めています。
彼岸という言葉は仏教の言葉です。
煩悩を脱した悟りの境地という意味です。
はい、よく分からないですよね(笑)私もです。
簡単に言うと彼岸は【極楽浄土】という意味です。
煩悩とは悟りの境地を妨げる色々な精神作用のこと。
人間の迷いや苦しみなどですね。
そして、今私たちが住んでいる世界を比岸、三途の川を挟んで向こう側の世界、仏様の世界を彼岸と呼びます。
お彼岸とは、煩悩のない悟りの境地=極楽浄土となるのです。
そして、お彼岸に込められた別の意味は、煩悩に打ち勝ち悟りの境地に達することができるように
仏道の修行に励む期間であるということです。
このことから昔の人達は、普段は仏道の修行を行っていない人も、彼岸の期間になると煩悩を払うために祈りをささげていたようです。
現在の私たちが耳にするお彼岸とは、彼岸会やお墓参りをすることが一般的になっていますが、昔の人たちは悟りを開くための仏道修行という意味合いを持っていたのですね。
お彼岸は年2回なのは何故
お彼岸が年2回あるのをご存じですか。
春分の日と秋分の日です。
お彼岸がこの春分の日と秋分の日の中日として行われている理由は太陽が真東から真西に沈んでいく日だからです。
お彼岸に関する彼岸会などの行事は平安時代から行われてきました。
そして、浄土教の影響が最も強いとも言われています。
この浄土宗では、極楽浄土ははるか西のかなたにあるとされています。
そのため、太陽が真東からのぼり、真西に沈んでいく春分の日と秋分の日は極楽浄土へほぼ一直線、最も極楽浄土へ近くなる日とされています。
最も極楽浄土へ近くなるときに、ご先祖様の供養を行うことでご先祖様そして自分も煩悩のない極楽浄土へ到達できるという考えからお彼岸のお墓参りが定着したといわれています。
ちなみに、現在では春分の日と秋分の日で行われることはほぼ同じです。
異なる部分はお供え物の違いのみです。
春のお彼岸にはぼた餅をお供えします。
秋のお彼岸にはおはぎをお供えします。
この2つはそもそも同じ食べ物で食べる時期により、名前が異なるだけです。
お彼岸とお盆の違いは?
そういえば、お盆もお墓参りしますよね。
お彼岸と意味合いは違うのでしょうか。
お彼岸は極楽浄土に最も近くなり、ご先祖様を供養することで故人との思いが通じやすくなる日と言われています。
ただし、お彼岸はご先祖様は帰ってきません。
一方お盆は、ご先祖様があの世から帰ってくるといわれています。
あの世から帰ってくるご先祖様を、迎え火を焚いてお迎えして供養する。
そして、供養した後に送り火を焚いてまたあの世へ送り出す。
灯篭流しやなすやきゅうりの乗り物を作ったりというのもお盆の行事ですね。
ご先祖様の供養は同じでもお彼岸とお盆では意味合いが全く違います。
ちなみにお盆の時期に海に入ると、足を引っ張られあの世に連れていかれる、とよく言いますが、ご先祖様が帰ってくることが関係しているのか疑問に思ったことがあります。
私はこの話が怖くて(笑)ずっとお盆には海には行っていません。
最近になり、本当の意味を知ったので余談ですがご紹介します(笑)
この言われも昔の人たちの知恵です。
お盆の時期は海にクラゲが多く発生するため、よく昔の人たちはさされて大変な事になっていたそうです。
このクラゲが多く発生する危険な時に、海に入ったらダメという意味、お盆の時期が重なった事により、お盆の海はあの世に連れていかれると言われだしたそうです。
クラゲでけがをすることの回避として言われだしたという事になります。
お彼岸とは 2020年は意味を理解! まとめ
お盆はご先祖様の供養をするとよく知られていますが、お彼岸は現在では本当の意味合いなど知らない場合が多いですよね。
なんとなく、ご先祖様を供養する日だ位の認識。
日本には様々な伝統文化、昔の人たちの考え方がありますよね。
このお彼岸の本当の意味を知ることで、昔の日本が見えてくるという場合もありますね。
お彼岸とは
・簡単に言うと彼岸は【極楽浄土】
・お彼岸はだいたい春分の日・秋分の日の前後3日間
・昔の人達は彼岸の期間は煩悩を払うために祈りをささげていた
・現在の私たちは彼岸会やお墓参りをすることが一般的
・春分の日と秋分の日は最も極楽浄土へ近くなる日とされています。
・お彼岸はご先祖様は帰ってこない
毎年2回訪れるお彼岸、今年は本当の意味を知った上でご先祖様の供養をしてみるのもいいのかもしれませんね。
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